田中 太一

日本を代表するハードエンデューロライダーの一人として活躍し、世界最高峰のレース「エルズベルグロデオ」を完走した日本人で唯一完走者

田中 太一氏について

 

4歳からバイク競技を始め、1996年にトライアル全日本選手権 国際B級チャンピオンを獲得。翌1997年には国際A級スーパークラスへ昇格。1998年から2002年までトライアル世界選手権にフル参戦し、2002年には世界ランキング13位(イタリア大会4位入賞)を記録。

その後もトライアル全日本選手権で活躍しランキング2位を獲得。2006年からは全国でトライアルショー活動を展開する傍ら、エンデューロライディングを本格的に開始。

2010年、KTM Japanからのオファーをきっかけに世界最高峰のハードエンデューロレース「エルズベルグロデオ」に挑戦。初参戦で13位完走を果たし、2010年から2013年まで4年連続完走。2012年には日本人最高位となる総合5位を記録した。

現在はライディングスクールやイベント活動を通じ、オフロードライディングの普及と次世代ライダーの育成に取り組んでいる。

就任特別インタビュー

一言で言うと、「わかってるな」というブランドですね。

もちろんバイクそのものの性能も素晴らしいんですが、僕がKTMを好きな理由はそこだけじゃないんです。パワーパーツやパワーウェアから、日々のメンテナンス性まで、本当にライダーが現場で何を求めているのかを理解して作られていると感じます。

例えばレース会場でフィルターを交換したい、洗車をしたい、少し整備をしたい。そういう時に「なんでこんなにやりやすいんだろう」と思うことが本当に多いんです。必要なパーツもきちんと用意されていて、余計な手間が少ない。そういう細かな部分の積み重ねに、「本当に分かってるな」と感じます。

特に印象に残っているのはエルズベルグロデオに参戦した際の経験です。現地ではメカニックがライダーと真剣に向き合い、どんな小さな要望にも耳を傾けてくれました。完成されたバイクであっても、「もっと良くできないか」「ライダーがより安心して走れるようにできないか」を常に考えている。その姿勢に何度も感動しました。

だから僕にとってREADY TO RACEという言葉は単なるキャッチコピーではありません。本当にライダーとともに戦い、進化し続けるブランド。それがKTMだと思っています。

正直に言うと、「これを達成したい」という大きなゴールがあるわけではありません。

ただ、これまでスクール活動やイベントを通じて多くのライダーと接してきて思うのは、オフロードにはまだまだ知られていない楽しさがたくさんあるということです。

レースというと速さや順位に目が向きがちですが、僕はそれだけじゃないと思っています。初めて坂を登れた、転ばずに走れた、レースを完走できた。そういう小さな成功体験の積み重ねこそが、本当の楽しさだったりするんです。

長年初心者ライダーと向き合ってきて感じるのは、人それぞれに目標があって、それを達成した時の喜びは順位以上に大きいということです。だからKTMには、トップライダーのためだけではなく、「これから始めてみたい」と思う人たちも歓迎するブランドであってほしいと思っています。

オフロードには仲間と走る楽しさがあります。上達する喜びがあります。そして何より、バイクを自分で操る楽しさがあります。その魅力を一人でも多くの人に伝え、オフロードの世界への入り口を広げていくことが、僕の役割だと思っています。

僕にとってライディングは、「永遠に不完全なもの」です。

何十年乗っていても、「完璧だった」と思える日はほとんどありません。いつも「もう少しこうできたな」「あそこはもっと良くできたな」という課題が残ります。

でも、その不完全さがあるからこそ面白いんです。

理想の走りを100%実現することは難しいですが、自分が思い描いていたことの半分でも実現できたら十分うれしい。そして残り半分の課題が、また次に乗る理由になる。だからライディングは終わりがないんだと思います。

特にオフロードでは、「乗せられている」のではなく「自分で操っている」という感覚があります。あのラインを通りたい、このコーナーをこう曲がりたい、そのイメージと実際の走りが一致した瞬間の快感は何ものにも代えられません。

今はスクール活動を通じて人が上達する姿を見る機会も増えましたが、実は自分が上手くなることよりも、その人ができなかったことをできるようになる瞬間を見る方がうれしいこともあります。不完全だからこそ成長できるし、成長できるからこそ面白い。ライディングは今でも僕にとって終わることのない挑戦ですね。

KTMを選ぶということは、きっとバイクを単なる移動手段ではなく、楽しみたいという気持ちがあるんだと思います。

KTMの魅力はスペック表だけではなかなか伝わりません。実際に乗って初めて分かる軽さや操作性、自分の意思に応えてくれる感覚があります。僕自身、さまざまなバイクに乗ってきましたが、KTMには「乗ることそのものが楽しい」と思わせてくれる魅力があります。

そしてぜひ、バイクそのものだけではなく、その先にある体験を楽しんでほしいですね。仲間と走ること、新しい場所へ行くこと、レースに挑戦すること、イベントで語り合うこと。その一つひとつが、バイクライフをより豊かにしてくれると思います。

オフロードは決して楽なことばかりではありません。転ぶこともあるし、泥だらけにもなるし、疲れます。でも、その先にある達成感や仲間との時間は、他ではなかなか味わえないものです。

だから最後に一言だけ言うなら、

「すいません、僕らめちゃくちゃ楽しいことやってます。」ですね。

ぜひ一度、この世界を体感してみてください。

今後、田中氏はKTMブランドアンバサダーとして、KTM Japanおよび全国のKTM正規ディーラーが主催するイベントへの参加をはじめ、製品やブランドの魅力を伝える情報発信やライディングコンテンツの制作など、さまざまな取り組みに協力していきます。

また、自身の国内レース参戦も予定しています。

オフロードライディング未経験者や新たにチャレンジしたいライダーに向けて、その楽しさや魅力を体感できる機会を創出し、日本におけるオフロードシーンのさらなる発展とコミュニティの活性化に取り組んでますので、今後の活動に是非ご注目ください。