01. エンジンとエグゾースト

エンジン
このバイクのエンジンがもたらす喜びにより、今後も生産が継続されるでしょう。このバイクの主要構成部品は、トップクラスの125と共通のものが多く、シリンダー、シリンダーヘッドおよびピストンユニットを125 ccのエンジンベースに装着すると、クランクシャフトを交換しなくても、150 SXに転換できます。このコンパクトかつパワフルで革新的な2ストロークエンジンは、バイクにとって完璧な軽量のパワーハウスです。


シリンダー
150 ccエンジンの中心には口径58 mmのシリンダーが内蔵されています。精巧なメカニズムにより水平なエグゾーストポートを実現した革新的なパワーバルブユニットを備えています。エグゾーストポートのレイアウトによりエンジン性能が向上し、エグゾーストポート上部外形は、正確なポートタイミングとなるように綿密に加工されています。ツインコンポーネント式のシリンダーヘッドは、シリンダーと完璧に調和して連動するため、全回転域で際立ったパフォーマンスを提供します。


クランクケースとエンジンカバー
軽量のクランクケースは高圧ダイキャスト製造プロセスで製造されているため、壁厚を最小限に留めつつ、強度と耐久性を維持しています。この設計により、クランクシャフトの位置を高めに設定し、重心に近づけられたため、理想的なマスの集中化と卓越した乗り心地を実現しました。エンジン全体が非常にコンパクトになり、エンジン重量の削減に大きく貢献しています。


トランスミッション
KTM 150 SXには堅牢な6速トランスミッションが装備されています。改良かつ補強されたギアレシオは前モデルから引き継いでいます。トランスミッションの新たなカウンターシャフトは、サークリップではなくフロントスプロケット固定とダイヤフラムスプリングを使用するため、より最適なフロントスプロケット固定が可能になりました。他にも150 SXのトランスミッションには防泥ギアシフターという注目すべき機能があります。フットペグのデザインと同様に、泥の堆積を防止し、条件にかかわらずいつでも次のギアに切り替えられます。


キャブレター
KTM 150 SXにはMIKUNI TMX製の38 mmフラットスライドキャブレターが装備されており、2021モデルでは、ローラー駆動の新たなスロットルアセンブリとマッチしています。リードブロックのリードが改良されたことにより、機能、シーリングおよび信頼性が向上し、システム全体では常にスムースで制御性の高いパワーをすべての回転域で提供できるようになりました。


クランクシャフト
クランクシャフトには、最適なトルクと回転数を生み出す54,5 mmストロークが装備されています。理想的なバランスが実現され、カウンターバランスシャフトにより、振動が最小限にとどめられます。クランクシャフトを重量を集中させるのに最適な位置に配置し、俊敏性と操作性を向上します。


冷却
運転中に馬力を一定させるには、最適なエンジン温度を維持することが必須です。KTM 150 SXのラジエターは重心を低くする位置に配置されています。この設計はシュラウドと完璧にマッチし、非常にスリムな人間工学的形状となっています。この革新的なシステムは、CFD技術(計算流体力学)とスマートな冷却回路の配線により、条件にかかわらず、最高のパフォーマンスをもたらすエンジン温度を保証します。ラジエターにも特別なプロテクターが装着され、飛来する小石や破片から保護するだけではなく、衝撃時にラジエター周囲にエネルギーを分散するブレースとしての役割も果たします。


エグゾースト
このバイク用に特別に開発されたエグゾーストシステムは、パワー供給とパフォーマンスにおいて重要な役割を担い、他に負けない威力があります。さらに、よりスリムで人間工学に適した特別な形状になり、レースの騒音制限内で安全な運転を行うことも可能です。
